暗示?
なぜよくなったの?暗示?
症状がよくなったお客さんからこんな言葉を聞くことがあります。
「ここ2週間、しんどさをほとんど感じていません。痛みもありません。気のせいなのかな?そんな気がしてるだけ?」
「これは暗示にかかっているのですか?」
こういった質問の裏には「いまよくなった気がしているけど、本当は肉体は何も変わっていないんじゃないかな・・・」という不安があるのかもしれません。
肉体がこんな風にかわった!とはっきりした物理的な指標がないと変化を信じられないのかもしれませんね。
ですが、変化は筋骨格系のみに現れるわけではありません。「脳」にも変化が起きるのです。そして不調の原因は筋骨格系だけにあるのではありません。原因の多くが脳にあると考えられる場合が多々あります。
「いや、まあそうかもしれないけど。私はヘルニアって言われてるから脳じゃなくて構造的な問題だと思う。ヘルニアが神経に当たってるのが痛みの原因でしょ?」
「私は骨盤がいがんでるから、脳っていうのとはちょっと違うと思う」
そんな声が聞こえてきそうですが、近年ヘルニアなどの構造的な問題だと思われていた症状や、その他様々な痛みに関する原因について、様々な説が取り上げられるようになりました。その中でも脳神経系の機能に焦点を当てたメルザックのニューロマトリックス理論というものがあり,とても興味がひかれるものです。それは近年の脳の活動の計測技術の向上に伴い発見された、『慢性的な痛み』は、感覚、知覚、認知の情報を元に、脳内で多次元に痛みを作り出しているという理論です。
ニューロマトリックス理論
【認知】
文化的背景、過去の経験、性格特性
注意集中、予期、不安、抑うつ
【情動】
視床下部―脳下垂体―副腎系
交感神経系(ノルアドレナリン)
免疫系(サイトカインを含む)
内分泌系
大脳辺縁系(内因性オピオイド)
【感覚】
皮膚感覚(触覚・圧覚・温覚・冷覚・痛覚)
深部感覚(運動感覚・深部痛)
内臓感覚(臓器感覚・内臓痛)
特殊感覚(視覚・聴覚・平衡感覚・味覚・嗅覚)
こういった様々な事柄が関わりあって、身体イメージに影響を与え、脳内で痛みを生み出しているという考えをニューロマトリックス理論では展開しています。
当院では脳神経系へ影響を与えることを意図して肉体に触れて行うフェルデンクライスメソッドや、エネルギーワーク、手技ではない療法(心理療法やハーブ療法など)も行います。そのなかには冒頭に出た「暗示」や「気のせい」のようなものをうまく利用したものも多々あります。それらは認知・情動・感覚に働きかけ、大きな効果を発揮します。
木を見て森を見ず
「ここが凝っているから」「骨盤がいがんでいるから」「ここで神経が圧迫されているから」
のような肉体的患部など一部に焦点を当てた診方は「木を見て森を見ず」になっていると言えます。そして内科や整形や心理のスペシャリスト達によっても改善されなかったクライアント達が、私のような町の施術所(ホリスティックな人間観を持つ療法の施術所)で改善する理由を、このニューロマトリックス理論から導き出すことができます。
当院で扱うフィシオエナジェティックやフェルデンクライスメソッド、オステオパシーなどで行っていることが、最新の脳科学によりその有効性が理論的に証明されつつあるようでうれしい限りです。
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東洋・西洋・世界各国の療法を織り交ぜたホリスティック療法で、原因不明の症状やなかなか良くならない慢性症状を改善へと導いています。