引っ越しに気を付けて①
私の院では問診中に
「このころに引っ越しはされていますか?」
とお聞きすることがあります。なぜかというと、引っ越し後に体調が悪くなる方が多いからです。
なぜ引っ越し後に体調が悪くなるかというと、例えば
- 新しい壁紙や建材などから出る化学物質の害(化学物質過敏症について)
- ジオパシックストレス(ジオパシックストレスについて)
- 電磁波(電磁波について)
などがパッと浮かびます。こういった理由で引っ越し後に慢性症状が出始めることは考えられます。これらはおそらく事前に知識がなければ原因に気づく事はなく「原因不明の不調」のまさに原因になりえます。
ただもっとシンプルに、引っ越しでは「環境が大きく変わる」ということから多大なストレスを受けると実感しています。
化学物質でも、電磁波でもなく、ただ環境が大きく変わる事がとても心身を疲弊させるのです。嫌な事がストレスになることは誰でもよく分かっています。そして楽しいこともストレスになるということを聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか?人が生きているということは恒常性維持機能(ホメオスタシス)が働いているという事。楽しい楽しくないなどの内容云々ではなく変化そのものがストレスになり得ます。
脳が疲弊する
私は「脳はいつも環境を認識している」と思っています。
どういうことかというと、例えば寝ている時でも「今寝返りを打つと右側にある棚に足をぶつける」などということを脳はずっと把握しているということです。もちろん起きている時も、顕在意識では気づいていない領域でも、脳は臭いや音の反響の仕方、光の入り方や温度変化、頭上の空間認識などを総合的に判断して「なにか危ない生き物が出てこないか」や「この方向に動くと身体をぶつけたりしないか」「今何時ごろなのか」など環境から色々判断し続け、私達がいちいち考えなくても日常を繰り返していけるようにしてくれているのだと思います。
その環境情報が引っ越しによって変化してしまうと、脳はまた新しく部屋の環境を学び直さなくてはならず脳の仕事量が増えて疲弊する。
慣れた仕事場だったら、後ろに置いたゴミ箱にも振り返らずにスポッとゴミを入れられていたのに、引っ越し後にはゴミ箱の位置を一瞬チラッと見てからゴミをスポッと投げ入れる。この「一瞬チラッと見て」のひと手間が一日に何十回と増えるのもまた、引っ越し後の脳の疲弊を招く。
いずれにせよ間違いなく引っ越し前よりは引っ越し後しばらくは、脳の仕事量が増えるでしょう。
そまとは引っ越しいたします
突然ですが、2018年8月6日から新しい場所で営業いたします。 今の場所から徒歩4分の場所ですのですぐ近くです。
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いつ、どのように休むかの判断が健康を左右する
かくいう私も先月に院の引っ越しをし、少し体調を崩しました。とはいっても大したことありませんが、引っ越しがストレスになることは重々わかっていたのにやっぱりか・・・という感じです。見方を変えれば、それなりには気を付けていたからこれぐらいで済んだとも言えますが。
私事ですが、どう体調を崩したのかと言いますと
- 引っ越し前後は忙しすぎて1か月間ほぼすべて外食(食生活は最悪×)
- ほとんど毎日寝る直前まで何かしら仕事をしている(いつも通りと言えばいつも通りですが、より休む時間がなかった)
という生活で不摂生が続いた後に、10年ぶりの焼肉食べ放題へ!
普段はバカ食いなどしないのですが、10年ぶりに食べ放題に行った興奮があったのでしょうか(笑)水を飲み込むかの如く次々と肉を大量に食べまくったのですが、菌だかウイルスだか何かにあたったようで次の日から腹部の激痛が10日間。腸がボロボロになって弱った頃に、自分でお店の内装を作る際に発生した木くずを吸ったら酷い鼻炎に。
当院に置いてある木の棚など、写真に写っている木の家具は全てDIYしました。 |
松の木を使ったのですが、針葉樹の木くずは強力なアレルゲンです。少量ならばどうってことありませんが、弱っているときに沢山吸ってしまい、鼻炎で頭がボーっとしながらも深夜まで内装作り、その時事が起こりました。
ドスン!
木材を足に落としてしまい血まみれに。この一連の不調っぷりは食べ物にあたったことなど不意の事故のようですが、根底に「引っ越しの疲れ」「働きすぎの疲れ」があるように思います。いくら疲れがたまっていても、しっかり回復させればいいものを「いつ、どのタイミングでどのように休暇を取るか」これを見誤った結果がこの足ではないでしょうか。
やりすぎてしまっているかどうかは、やっている最中には判断がつかない
これはフェルデンクライスメソッドのトレーニングコースでトレーナーが発した言葉です。繊細なレベルで自己認識をしようとするときの話になりますが、徐々に積み重なった緊張に気づくには「休息」が必要です。いかに疲れに気づきにくいか、どの程度が自分自身にとって「やりすぎ」と判断すべきものか、そしていつ「休息」を入れるべきか。こういった事を身体感覚を通してフェルデンクライスメソッドで学んできましたし、私自身が講座で「休息」の大事さを伝えていたのですが・・・ |
なかなかの痛みでしたが「骨が折れているならどう折れているか」「化膿しないか」というのは気にしましたが「骨折かどうかは感覚的にはまだよくわからないし、明日また様子を見てみよう」とその日はお店に寝泊まり(歩けないので)しました。
次の日は朝10時から夜21時30分までみっちり予約が入っていたので病院に行く間もなく、夜はまたまたお店に泊まりました。そしてまた次の日、その日の施術終了時間が19時ぐらいだったので車で妻に迎えに来てもらうと
妻「これ、ひどすぎない?病院行かなあかんよ」
続く → 引っ越しに気を付けて②