この記事は続きです。前の記事は→正しい歩き方は、間違った歩き方?①

 

随分前にステファンローゼンホルツ(教育学博士)がこのような話をしてくれました(随分前の記憶なので大分脚色しています)

ジミーのスーツ

ジミーは大学4回生の男の子。もう就職活動をする時期なのに、ジミーはやる気が起きずに家の中で暇を持て余していました。その時、家の電話が鳴ったので出てみると

ジャニス:ジミー?お姉ちゃん結婚することになったの。ちょっと急だけど披露宴は3日後だから。結婚相手の人はとっても良い家柄の人なの。恥ずかしくないようにちゃんとスーツ着て来てよ!いつもみたいなボロ切れで披露宴に来ないでよ!

ジミー:OK!ジャニスお姉ちゃん。わかったよ

とはいったもののジミーはスーツなど持っていません。お父さんに相談することにしました。

お父さん:そうか、よし、わかった。じつはな、とうちゃん今日競馬で大穴を当てたんだ。お姉ちゃんのめでたい席だし、お前もそろそろ就職するための面接を受けだす頃だろ?隣町にここらで一番高級な仕立て屋があるから、町で一番上等なスーツ作ってもらってこい!

そういって大金をジミーに渡しました。

さっそくウキウキで隣町の仕立て屋へ。

店主:いらっしゃい

ジミー:こんにちは、ちょっと急ぎなんですが3日後に姉の披露宴がありまして、その時に着るスーツ・・・・(中略)・・・・・

店主:そうか、ようし!わかった。兄ちゃん。晴れ舞台にピッタリの最高のスーツを作ってやろう!まあでもいくら急いで作っても3日後、披露宴当日の朝だな。店は10時に開けてるんだけど、披露宴は何時からだい?

ジミー:披露宴は10時からなんだ。9時10分にここを出発したらギリギリ間に合うんだけど・・・

店主:そうか、じゃあ特別に9時に店をあけてあげるよ。ここでスーツに着替えて直接披露宴会場にいけばいい。

ジミー:ありがとう!かっこいいの作っといてよ!

そして披露宴当日

ジミー:やばいやばい!寝過ごしたー

急いで仕立て屋に向かいます。

店主:おいおい、遅かったじゃないか。もう9時30分だぞ、間に合うのか?

ジミー:急いで歩けば何とか間に合うよ。それより早くスーツ!

店主:OK!ほれ!

ジミー:ありがとう!わお!めちゃくちゃかっこいいじゃない!まだ着てなくてもいいものだってすぐにわかる生地だよ。

着替えを済ましたジミーは驚きました。なんとそのスーツの袖の長さの右左、ズボンの右左、それぞれの長さがあべこべで、右手は手の甲まで隠れるぐらいなのに、左手の方は手首より短い。ズボンは右足は短く左足はだらんと長いものでした。

ジミー:ええー!なんだこれー。こんなんじゃ恥ずかしくて披露宴に行けないよ。

店主:あれ?なんでだろう。でももう今から作り直す時間はないよ。と、とにかく!あれだ。ほら!ちょっと左肩をすぼめて左手を短くしてみなよ!ほら!ピッタリな感じになったじゃないか!お尻も右に傾けて!ほらそうするとズボンの右側が短いのがわかりにくくなってるだろ。

ジミー:え!え!そんな、、、ああ、もう時間もないし、まあいいや!長さはチグハグだけど生地とデザインはめちゃくちゃかっこいいし、一目見ていいものだってわかるような出来だ。これなら立派なスーツだってみんながおもうぞ!とにかくいそいで披露宴に行かなくちゃ!

ジミーは急ぎ足で披露宴会場に向かいます。その道すがら土木作業員のおっちゃんが声をかけてきました

おっちゃん:おう兄ちゃん!この町じゃ滅多に見ないような立派なスーツだな。

ジミー:そうかい、ありがとう!

(やっぱりこのスーツはカッコいいんだ。やったね)

おっちゃん:ん?でもなんか長さがちょっとチグハグじゃないかい?

ジミー:ああ・・そうかな、、ちょっと急いでいるんだ。またね。

(そうか、やっぱり普通に歩いていると長さがちぐはぐなのがばれちゃうんだな・・・)

ジミーは店主に言われたように左肩をすぼめお尻を右に傾け歩いてみます。

ジミー:確かにこうすれば長さがチグハグに見えないな・・・。しかし、この格好をすると歩きにくいな・・・

ジミーは無事に披露宴に間に合い、お姉ちゃんの結婚を祝うことが出来ました。その後もジミーはこのスーツを着て面接に行き、無事就職が決まって町を離れて一人暮らしを始めました。もちろん仕事着もこのスーツです。そして数年経った頃、ジミーは両親に会いに町に戻ってきました。その頃にはチグハグなスーツにもすっかり慣れ、なにも意識しなくてもうまく袖の長さに身体を合わせて歩いていました。

町を歩くジミーを見て、休憩中の土木作業員のおっちゃん達が話しました

おっちゃん①:おい、あのにーちゃんが来てるスーツはえらくいいもんだな。

おっちゃん②:ありゃ相当いいもんだ。一目見りゃすぐにわかる。

おっちゃん③:あんだけのスーツを着てるんだ、ありゃ相当立派な紳士に違いねえ。でもなんだ、なんだか変な歩き方してるなー。

 

正しい歩き方は、間違った歩き方?

もしジミーが裾の長さのしっかりそろったスーツを新調したらどうなるでしょう?それでもチグハグなスーツに合わせて歩いていた名残でちょっと変な歩き方をしているかもしれません。今までちぐはぐな裾の長さのスーツに身体を合わせていたので、新調したスーツの裾の長さがちぐはぐに見えてしまうかもしれません。

 

気づかぬうちに、私たちは誰もがジミーと同じような事をしています。成育歴の中で様々なスーツを着てきたのです。今行っている「歩き」をテーマにしたフェルデンクライスメソッドのレッスンでは、「正しい歩き方」という名の新たなスーツを着せることなく、新たな歩きを模索するお手伝いができるようにと心がけています。

 

 

 

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東洋・西洋・世界各国の療法を織り交ぜたホリスティック療法で、原因不明の症状やなかなか良くならない慢性症状を改善へと導いています。

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